強い意志が産んだ春野菜!うすいえんどう

この広い畑、何の畑だと思いますか?

関西でこれから4月から5月にかけて食べられる春の野菜「うすいえんどう」という豆の畑です。うすいえんどうはグリンピースとくらべて青臭さがなく、皮が薄いのが特徴で、実が大きくほくほくした食感が人気の豆です。
うすいえんどうのこの畑は、昔からこのような広い畑ではありませんでした。

他の農地と同じように、ここにも山があり、梅の木が植えられていたそうです。そこに、これからの時代を見ていた中西さんのお父さんが平らな畑を作ろうと、農家さんたちを説得して、山を平らな畑にしたそうです。
山を崩すと、土が海に流れ込み、何度も漁協組合に頭を下げ、途中で、心が折れてしまったことも。そんな時に「あんたしっかりせんね」って最後に中西のお父さんの背中を押したのは、そう、お母さんだったそうです。

今ではこんな立派なうすいえんどう畑になりましたが、どうやったら立派に育てられるかを工夫し、何十年もかけて今の形をつくりあげたそうです。

そんな話を、梅農家でうすいえんどうを育てている山本さんに教えてもらいました。

山本さんは、無農薬で梅を25年も育てていて、今はこのうすいえんどうも中西さんにすすめられて育てています。そんな山本さんと中西さんとは高校からの幼なじみなんだそうです、なので、中西さんのお父さんの話もとっても詳しいんだとか。※写真は山本さん。

ここの土は、さざれ石と言われる石がたくさん含まれているので、耕運機の刃が削れてしまう速度が早いそうです。そんなさざれ石ですが、うすいえんどうにはとっても重要なんです。うすいえんどうは水はけのよい土でないと育ちが悪いそうで、さざれ石によって、ここの土地はとても水はけが良い土になるのだとか。あちらこちらにこんな大きな石が転がっています。
3月中旬の今の時期は、白い花が満開でした。スイトピーのような形の真っ白な花でした。そして、ちらほら花から豆になっているものも。
そして、うすいえんどうの大敵は霜!海沿いのこの地域は、海からの暖かい空気で、年中霜がおりないんだそうです。だから、畑からは太平洋がちらりと見えました。

関東ではしられていないうすいえんどう。グリンピースのように、ごはんと一緒に塩を入れて炊くと、とっても美味しいうすいえんどうごはんになるんだそうです。

みなさんは知ってましたか?

和歌山には、まだまだ知られていない美味しい食材がたくさんあるんですよ。そんな美味しいものを今後もたくさん紹介していきたいと思います。

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